広報活動

津田塾大学ウェブマガジン「plum garden」編集部

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Date: 2018.03.26

サークルでもゼミでもない!「学生×教員×職員」の新コラボ

津田塾大学「plum garden」

1世紀以上も前より女子高等教育の必要性を唱え、女性の地位向上こそが日本の発展になるという理念を生涯持ち続けた創立者、津田梅子の意志を受け継ぐ津田塾大学。実は今、歴史と伝統のある女子大として名高い同大学が立ち上げたウェブサイトに、他大学からも注目が集まっています。
今回お話を聞いたのはサイトを運営する教職員のお二人。さて、どんな逸話が飛び出すでしょうか?

構成:澤田文佳 
撮影:加々美義人 
編集:プレジデント社

~記事の配置を工夫して大学公式サイトと差別化

津田塾大学の数ある取り組みのなかに、ちょっとユニークで、既存のメディアにはない魅力を放つプロジェクトがあります。やわらかいネーミングとタイルで構成されたデザインが目を引くウェブマガジン「plum garden」(プラムガーデン)で、2014年12月、大学公式サイトのサブコンテンツとしてスタートしました。

津田塾大学「plum garden」 津田塾大学 オフィシャルウェブマガジン
キャンパスと世界のいまを伝える
plum garden

画像は、プラムガーデンのトップページ。記事をタイル状に並べたレイアウトが特徴。画像はPCで閲覧した場合。
http://pg.tsuda.ac.jp/  津田塾大学「plum garden」

当初、受験生向けのサイトとして立案されましたが、検討を進めるなか、「受験生にのみ目を向けていいのだろうか」と疑問を感じたのが、現在も企画面での全面サポートを担う郷路拓也准教授でした。また、既存の大学公式サイトと補完的な関係になるよう、「公式では前面に出てこない情報を、違う見せ方で取り上げたい」とも考えたのでした。
一般的な大学公式サイトは、いくつもの階層をもち、カテゴリー別に掘り下げていく構造が多数です。しかし、そのため縦のつながりはできても、横のつながりがもてない仕組みになっています。こうした現状に、立案に携わった教職員は少なからず疑問を抱いていました。
「プラムガーデンの重要な特徴として、一つひとつの記事を階層化せず、フラットに並ぶ構造にしていることがあげられます。見覚えのあるサイトと同じものをつくっても意味がないと、差別化、あるいは話題性、オリジナリティという点で、かなり早い段階で『デザインはタイル状に』というコンセプトが決まりました」(郷路准教授)
ところが、サイトの骨格は形成されたものの、こうした形式のサイトは、こまめに更新しないと飽きられてしまいます。一体誰がやればいいのでしょうか。一案とされたのが「外注」です。しかし外注は費用負担が増え、また、意図しない方向でデザインがパターン化されてしまうと懸念されました。そこで「学生中心の編集部を立ち上げよう」というアイデアが生まれたのでした。
「日頃学生と接するなか、大学に愛着を持つ学生も少なくないと感じていました。その愛着を発信する場がないのはもったいないと思い、学生が考える魅力を、外に向かって堂々と発信できるフィールドをつくることで、新しいサイトができると考えたのです」(郷路准教授)

BILANC15津田塾大学「plum garden」 津田塾大学 学芸学部英文学科
郷路 拓也 准教授

プラムガーデンは
学生が大学と世界をつなぐ
「結節点」になれる場所

~学生の視点で生まれたアーカイブメディア

「最初に編集部員を募集する際、"わたしがつなぐ津田塾と世界"というキャッチコピーをつくりました。要するに大学公式のウェブマガジンではあるけれども、"わたし"がこの大学で経験したことを世界に見せたい、という思いにのっとったサイトというわけです。こうしたモチベーションに基づくコンセプトづくりや記事の見せ方は、大学広報として斬新だったと思います。本当はもっと遊んでもいいと思っているのですが、根が真面目と言いますか(笑)。学生のやりたいことには歴史取材的なものも多く、記事にするため過去40年分の資料を調べ、まるで卒論のような壮大な記事になったりすることもあります。こうした活動で津田塾の歴史が紐解かれ、メディアに残ることは、大学のアーカイブとしても価値があります」(郷路准教授)
企画広報課の羽鳥可奈子さんも、相談役として関わりつつ、メディアそのものの存在を楽しんでいる一人です。

BILANC15津田塾大学「plum garden」 津田塾大学 企画広報課
羽鳥 可奈子さん

記者の感性と熱意を
純度の高いまま発信し
大学の魅力を伝えたい

「先生方も学生からの取材は嬉しいようで、私たち職員が知らないエピソードも話してくれます。私も読み物として毎回楽しみに読んでいるんですよ。これからも大学への愛情をベースにポジティブな情報を発信し、津田塾ファンを増やしていけたら、と思っています」
現在の編集部員は20人程度で落ち着いているそうですが、部員は異口同音に「次から次にやりたいことが出てくるため、もっと時間が欲しい」と話しています。サークルでもゼミでもない、新たな「学生×教員×職員」の組織であるプラムガーデンには、無限の可能性が秘められているようです。

※私立大学退職金財団では、教職員の皆様にスポットをあてた「未来を拓く学校人」の情報を募集しています。掲載をご希望の維持会員は、当財団までご連絡ください。

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