滝川学園:プレゼン能力を向上させるe-Portfolioの相互の評価
維持会員通信Date: 2014.03.28
法人名 滝川学園
大学名 名古屋文理大学
少人数のゼミナールで輪講をしている大学は数多くあります。テキストまたは論文などを読み、内容を報告・発表するという流れです。名古屋文理大学でも2年次に基礎演習というゼミナールがあります。10人程度の受講者で、調べてきたことを順番にプレゼンしていますが、若干ハードルが高いようです。そこで、2年前からe-ポートフォリオを導入しました(ゼミのテーマ:ネット犯罪と情報倫理)。 名古屋文理大学では、プレゼンを聴きながら、他の学生がリアルタイムで内容を評価します。スライドのデザイン、説明の仕方など、いくつかの項目について5段階で採点します(ルーブリック評価)。また、同時に自由記述で発表についてコメントを入力します。これらの評価は、即座に発表者に伝わります。グラフ化されたルーブリック評価の平均点やコメントを参考にして、自分の発表を振り返ることで次回の発表に生かします。ペーパーでは非常に手間がかかる集計が瞬時にでき、評価・コメントがシステムに蓄積されていきます。ネットに接続できる環境であれば、パソコンやiPadからいつでも評価を見ることができます。 半年の授業後、e-ポートフォリオを利用したゼミ形式についてアンケートを行いました。その結果、ほぼ全員が相互評価や教員の評価・コメントが役に立つと答えました。評価をするという視点で互いの発表を見るため、より集中して発表を聴き、スライドや話し方を参考にしている様子でした。また、「始まる前は自分の発表に自信がなかったが、評価をされていくことで自信になった」という回答がありました。最初はどうしてよいかわからなかったものが、徐々に場数を踏み、評価を振り返りながら実力と自信を付けていったようです。 ゼミ生は、相互に刺激しあい、自分との違いを発見し参考にすることで、結果としてプレゼンが上達したと感じています。さらに、発表を集中して聴くので内容の理解度も高まります。相互評価は重要な学習過程となり、自身の振り返りにつながっていきます。 |
e-Portfolio を利用する学生 |