桑沢学園:デザインの活用で地域産業に明るい可能性
維持会員通信Date: 2014.07.28
法人名 桑沢学園
大学名 東京造形大学
「伝統の継承と展開-福島県会津若松市の地場産業との連携」というコンセプトのもと、東京造形大学大学院生と教員 たちが会津若松市の人々と協力して行っている「会津プロジェクト」が2013年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しました。
このプロジェクトは大学院の授業の一環として実施しており、グッドデザイン賞受賞にあたり審査委員からは、「地域と地場産業が抱える問題を分析、把握して具体的に製品として採用されるところまで進めたところが評価された。特に会津若松市は震災後の風評被害もあり、難しい課題が重層したところに、地域産業の今後に明るい可能性を見い出した。今後の継続的 な活動と幅広いデザインの活用を期待したい」という高い評価を得ました。本学で数多く実施している社会連携事業のひとつですが、正に創立者の教育理念を反映した成果となりました。
本学の創立者である桑澤洋子は、機能性や合理性を追求したデザイン活動を進めるなかで、デザインの総合的な基礎教育と専門教育の重要さを痛感し、1954(昭和29)年に専門学校桑沢デザイン研究所、1966(昭和41)年に東京造形大学を設立しました。「デザインは個の問題ではなく衆の問題であり、社会の問題である」「デザインや美術は、単なる自己表現というより、社会に責任を取る表現であり、デザイナーや美術家は、現代の社会や産業がはらむ矛盾を解明する文明的な使命を持たなくてはならない」という言葉から明示されるように、デザインの社会的使命を認識した啓蒙家としての姿勢を生涯にわたり貫きました。
2010(平成22)年には桑澤洋子の生誕100年を記念し、東京造形大学及び桑沢デザイン研究所を卒業したクリエイター138人による展覧会『SO+ZO展 未来をひらく造形の過去と現在 1960s→』を開催し、卒業生の作品・製品が会場を埋め尽くしました。本学は2016(平成28)年に創立50周年を迎え、未来に向けて新たな1ページを開いていきます。
「会津プロジェクト」担当教員および参加学生 |
グッドデザイン賞賞状および盾 |