皇學館大学では、COC事業(地〈知〉の拠点整備事業)の一環として、学生が圏域の課題に取り組むCLL(コミュニティー・ラーニング・ラボ)活動を進めています。2016(平成28)年で2年目を迎えるこのCLL活動では、同年10月23日に伊勢市一帯で開催された「伊勢河崎商人市」に「蔵物語」という名称で店舗を出店しました。
蔵物語は、「伊勢河崎商家リノベーションプロジェクト」と「玉城産豚ブランド化プロジェクト」という、CLL活動の2つのプロジェクトが共同で出店。伊勢河崎商家リノベーションプロジェクトでは、「伊勢うどん」の販売を企画しましたが、学生たちは「それだけでは訪れた人が物足りないのでは...」との考えに至り、地方産品の高付加価値化に取り組む「玉城産豚ブランド化プロジェクト」メンバーに呼びかけ、同プロジェクトから「玉城産豚串」を提供することになりました。さらに学生同士の横のつながりから写真部が作品を展示し、軽音楽部とギターマンドリン部がレンガ蔵でライブを行うという企画に発展。部活・サークルの輪が広がり、約40人の学生が関わる一大プロジェクトとなったのです。
この活動にあたり、学生らは家主さんや河崎のまちづくりに関わる人から話を聞き、歴史や背景を知ったうえで企画を練りました。伊勢うどんに決めたのも季節感や河崎(伊勢)らしさを出したかったため。加えて、独自性を持たせたいと、授業を通じて知り合った鳥羽の漁師さんにアオサを提供してもらいトッピングしました。
CLL活動を指導する池山敦教育開発センター助教は「今回の出店を通して、『自ら気付き、考え、動く』という面で学生の大きな成長を感じた。食材の発注なども学生が担い、社会人と接する良い機会にもなった。このような主体的な関わりが、今後さらに地域に関わる意欲の高まりにつながれば」と話しています。学生たちの活躍に期待が高まっています。
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