広報活動

木製の糸活用で持続可能な社会に貢献する(横浜美術大学)

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維持会員通信

Date: 2025.08.20

法人名 トキワ松学園
大学名 横浜美術大学

横浜美術大学は、2024年3月より建築資材流通を担うナイス株式会社と連携し、「木糸(もくいと)」を活用したプロジェクトを展開しています。
木糸とは、木で作られた糸を指し、材料として間伐材(建材などに使用できない未利用材や端材)が用いられます。切った木を無駄にせず、持続可能な社会に貢献する素材として注目されています。
プロジェクト開始にあたって、ナイス株式会社が保有する社有林の間伐材から作られた木糸50kgの無償提供を受けました。
参加する同大学美術学部美術・デザイン学科テキスタイルデザインコース有志学生にとって木糸は、今まで触れたことがない素材のため、はじめはその扱いに苦戦することもあったようです。そこで、まず木糸の性質を知るために、織り機を使って「サンプル織り」を作成。テキスタイルの基本的な織り方を試しながら、切れやすく繊細な木糸の特性に徐々に慣れていったのです。
大きな成果発表の場となったのが、2024年11月27日・28日にパシフィコ横浜で開催された「木と暮らしの博覧会」でした。「生活の中で使える作品」をテーマに、参加学生がテキスタイル作品の展示を行ったのです。
3年生(当時)の村田葉菜さんが制作したのはランプシェード。丸い曲線によって、木のぬくもりや柔らかさが印象的です。
「初めて木糸を見た時、その細さや硬さに興味を持ちました。木糸特有の透け感を活かせば、面白い作品になると思いました」(村田さん)。
また同じく3年生の川添雄人さんが制作したラグマットは、木目のような美しい色合いや質感のグラデーションが特徴です。
「木目は、木を切る場所によって全く違った模様になりますが、それは人の感情にも似ています。心に色々な感情が混ざりこむように、木材もさまざまな表情を持っています。木は人の生活空間に必ず存在する素材。その温かみを感じてもらえるよう、人に寄り添う作品を作ろうと思いました」(川添さん)
他にもクッションやタペストリーなど個性豊かな作品が集い、来場者からは「商品化してもよいのでは?」という声が上がったほど。
さらに大学ギャラリーブース内だけでなく、他の企業・団体ブースでも学生が作った作品が小物や装飾として活用され、会場全体に彩りを添えました。

 
村田葉菜さんが制作したランプシェード
村田葉菜さんが制作したランプシェード
「木と暮らしの博覧会」展示の様子。
「木と暮らしの博覧会」展示の様子。
館「木と暮らしの博覧会」展示の様子。
「木と暮らしの博覧会」展示の様子。
「木と暮らしの博覧会」展示の様子。

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