東洋学園大学では独自のPBL(課題解決型学習)を「TOGAKU PBL」と命名し、展開しています。人や企業、情報が集中する東京にキャンパスを構える立地を活用し、あらゆるものごとにアクセスしつつ社会の動きを間近に感じながら、問題解決力を磨いていくことを目指しています。
TOGAKU PBLは全学生が実践することも大きな特徴。まず1年次に資料検索などの基礎を養い、年度終わりには全員が「プレゼンTOGAKU」を経験します。これは与えられたお題に沿って各自がテーマを設定し、調査を重ね、自分なりに導き出した結論を発表するというものです。1年間の学びで習得した「課題を自ら見つける力」や「自分の考えを伝える力」をリアルに実践する機会となっています。
2年次以降は各学部の授業にPBLが組み込まれ、2024年度は95科目以上の授業でPBLを実施しました。学生たちは日々の授業を通じて、社会で求められる問題解決力を磨きます。その成長ぶりは、問題解決力を可視化するテスト(ベネッセi-キャリアが提供するGPS-Academic)の結果からも見てとれます。2023年度の3年生は、1年時に比べ批判的思考力や創造的思考力が大幅にアップし、全国平均を大きく上回りました。いずれも問題解決力に欠かせない能力です。また、卒業時アンケートに答えた8割以上の学生が4年間を通じて「自身の成長を実感している」と答えています。中でも「視野を広げ、ものごとを幅広く考える力」や「自分の考えをまとめてわかりやすく表現する力」が身についたと話す学生が目立っています。
では、具体的にどのような取り組みを行っているのでしょうか。ここでは2023年度に現代経営学部の1年生13名が参加した「SDGsリーダー育成プログラム」を紹介しましょう。このPBLのテーマは「大学をサステナブルにする方法を探す」というもので、産業廃棄物の再資源化と里山保全に取り組む企業を学生が訪問。施設を見学し、循環型社会についての知見を深めました。その上で「大学をサステナブルにするにはどうすればよいか?」を話し合い、意見を集約して、「産業廃棄物の循環に力を入れている企業にならい、本学でも学食の廃棄物を循環させたらどうか」といったアイデアを大学に提案しました。グループで話し合いながらアイデアをまとめる過程で、「同じものを見ても課題の捉え方は人それぞれ。他の人の意見が刺激になった」と感じた学生もいたようです。
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2023年度のTOGAKU PBL「SDGsリーダー育成プログラム」の様子。
2023年度のTOGAKU PBL「SDGsリーダー育成プログラム」で自分たちで導き出したアイデアを発表する学生たちの様子。企業見学を経て、大学のSDGsに向け意見交換しました。
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