高校生向けコンテスト「お弁当甲子園」(鎌倉女子大学)
維持会員通信Date: 2025.03.21

管理栄養士を養成する大学として、食育の大切さを周知したい―。鎌倉女子大学ではそんな思いから、高校生を対象にした手づくり弁当のコンテスト「お弁当甲子園」を毎年開催しています。応募数は年々増え続け、2024年度の第13回では過去最多の1万1269件を数えました。第1回の応募件数は1823件でしたから、実に6倍以上にもなっています。
回を重ねるにしたがい、高校の家庭科の課題として導入されるケースが増えるなど認知度が上昇。教職員からの評価も高まっています。全国の生徒にも広く浸透し、その規模は年々大きくなってきました。第12回からは特別表彰として「文部科学大臣賞」が贈られています。過去の受賞者や参加者からは、「普段お弁当をつくってくれる家族のありがたみを知った」などという感想が寄せられ、異口同音に「参加して良かった」というほど好評です。
第13回では特別審査委員として写真家の阿部了氏、ライターの阿部直美氏を迎え、家政学部の大石美佳学部長、髙橋ひとみ教授、山口真由准教授とともに応募作品を審査。最優秀賞は愛媛県立松山南高校の木下大悟さんが闘病中の父のためにつくった「男と男の約束弁当」が受賞しました。選考委員は「食べると元気をもらえそうな、それでいてやさしさを感じさせてくれるお弁当」と総評したうえで、「お弁当に込められた想いを読ませていただき、お弁当がもつメッセージ性の強さに驚きました」と、高く評価。今回の受賞を受けて木下さんは次のようにコメントしています。
「昨年、入選を受賞し、表彰式に出席した時、父は、入院中でした。必ず来年の表彰式には父を連れていきたい! という思いで、お弁当甲子園に取り組みました。参加して、弁当は、お腹だけではなく、心までも満たされる、大切な贈り物だと気付きました。今回は、縁起物の鯛や、父との思い出の卵焼き、家族の好きなおはぎを入れた、沢山の気持ちが詰まったお弁当です。彩りや栄養を考えて完成させたお弁当を、父が美味しそうに食べてくれたこと、一生忘れません」。
この最優秀賞を含め、第13回では受賞作品32点と団体賞7校を選出。文部科学大臣賞は2年連続で、群馬県立高崎女子高校が受賞しました。表彰式には全国の受賞者が出席。立食パーティ形式の懇談会では、お弁当づくりで苦労した点や、渡した相手の反応など、さまざまなエピソードが語られました。
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表彰状授与の様子
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お弁当甲子園全員での記念撮影
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最優秀賞受賞作「男と男の約束弁当」
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コンテスト会場の様子
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