日本女子大学は創立120周年記念事業として、目白キャンパスの再整備を進めてきました。2023年、そのキャンパス再整備計画が、「キャンパス全体を開放的な学習空間にした」として「日建連表彰 第64回BCS賞」を受賞しました。
BCS賞は1960年に創設された、建築物を表彰する賞です。建築業協会の初代理事長であり、竹中工務店の創業者でもある竹中藤右衛門による「優秀な建築物を作り出すためには、デザインだけでなく施工技術も重要であり、建築主、設計者、施工者の三者による理解と協力が必要である」との発意により始まりました。なお2011年からは、新団体の日本建設業連合会が表彰を行っています。これまでに東京都庁、池袋サンシャインシティ、関西国際空港旅客ターミナルビルなど、名だたる現代建築も受賞しています。
今回の本学の受賞に際しては、次のように表彰されています。
「開放的な建築計画は、キャンパス全体のラーニングコモン化を目指し、目白通りと不忍通りに面した青蘭館(せいらんかん)と杏彩館(きょうさいかん)のアーチ屋根形状と、図書館、百二十年館に繰り返されるアーチ屋根形状は印象的なキャンパスファサードを創出している」
表彰対象の建築物は3棟。「図書館、青蘭館」は2019年4月に竣工しました。正門の向かいに建ち、ガラス張りの壁面とアーチ状の屋根が特徴です。「杏彩館」は2021年3月に竣工し、学生が思い思いの時間を過ごせる空間としています。同時に竣工した「百二十年館」は、大中小23の教室のほか、研究室やJWUラーニング・コモンズかえでなどを備えています。
グランドデザインを手がけたのは、本学の卒業生であり、世界的に活躍する建築家の妹島(せじま)和世氏でした。妹島氏は「目白の森のキャンパス」を目指し、①緑でキャンパスをつなぐ、②目白キャンパスのファサードをつくる、③既存建物と新規建物が融合したキャンパス、④滞在型キャンパスとして教育・研究にふさわしい空間の創出、⑤地域と共にあるキャンパスという、5つのコンセプトに基づいて各施設を計画しました。これにより、低層の建物がバランスよく配置され、周辺環境と調和し、また、都心にありながら建築と景観が融合したキャンパスが実現しました。
なお妹島氏は2024年4月に開設する建築デザイン学部と、同時に設置予定の建築デザイン研究科の特別招聘教員として就任する予定です。
|
日建連表彰 第64回 BCS賞を受賞した
日本女子大学目白キャンパスの全体像
日建連表彰 第64回 BCS賞を受賞した日本女子大学百二十年館
|