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広島経済大学 興動館教育プログラム(前編)

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未来を拓く学校人

Date: 2026.03.19

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多様な学生の可能性を育てる教育 [第1回](前編)

「ゼロから立ち上げる」力を培い、未来を拓く

BILANC Online 広島経済大学 興動館教育プログラム(前編)
興動館前にて。左から、教育・学習支援センター長兼興動館教育プログラム科目創造センター長の濵田 敏彦さん、
興動館館長の石田真英さん、興動館課長の柏谷紘計さん。

※インタビュイーの役職等は取材時のものです。
構成:江頭紀子 
撮影:梅田雄一 
編集:プレジデント社

~ 自ら“チーム”をつくり、動く経験を

変化の激しい時代において、未来を切り拓くには、既成概念にとらわれず「ゼロから立ち上げる」力が欠かせません。そうした能力を持つ人材を「興動人(こうどうじん)」と表現し、独自の教育プログラムを展開しているのが広島経済大学です。
同大学の人材育成は、目的に応じて教養や専門科目等を編成した「基礎知識開発プログラム」、少人数制の演習授業による「プレゼンテーション能力開発プログラム」、そして実践を重視した「人間力開発プログラム」の大きく3つに分類されます。
人間力開発プログラムは、2006年に「興動館教育プログラム」としてスタート。興動館教育プログラムは、“興動館科目”と“興動館プロジェクト”の2つで構成されています。

興動館教育プログラムの狙いは、「社会で活躍できる人材の育成」。そう話すのは、興動館館長の石田真英さんです。
「現在の理事長が学長であった当時、『座学中心の授業は果たして次代を担う人材の育成につながっているのか』との疑問を持っていたことが興動館教育プログラムの開発背景にあります。ちょうど文部科学省が特色ある教育プログラムの導入を進めていた時期でもあり、本学でも若手の教職員を中心に“新しい学び”を検討するプロジェクトがスタートしました」

BILANC Online 広島経済大学 興動館教育プログラム(前編) 広島経済大学
興動館館長
石田 真英さん

学生のうちから、
多様な人とチームで動くことが
思考や行動の幅を広げる

その開発メンバーであり、現在教育・学習支援センター長兼興動館 科目創造センター長を務める濵田敏彦さんは、「今でこそアクティブラーニングは一般化していますが、当時はまだ珍しく、ワーキングメンバーで内容を練り上げてから、教職員の皆さんを少人数のグループに分けて説明会を実施するとともに、多くの質問ももらいながら、時間をかけて合意をとったのが懐かしいですね」と当時を振り返ります。
プログラムの作成にあたり、重視したのは「チームで動く経験」を学生に体感してもらうことだと石田さん。
「実社会は個人で動くこともありますが、最終的には多様な人たちと“チーム”で動くもの。学生のうちから、自らチームをつくり、動く経験を積んでほしいと思ったのです」

~ 全学年合同で4つの力を育む「興動館科目」

そもそも広島経済大学における「人間力」とはどのような力をいうのでしょうか。
濵田さんによると、同学では人間力を、

・自分の心の壁を取り払い、自分をさらけ出すことができる勇気
・相手の心を推し量り、相手にうまく働きかけることができる能力
・個人の持つ諸能力や、人を引き付ける魅力を発揮して、「人と共に何かを成し遂げる力」

と定義。そして、これらは「元気力」「企画力」「行動力」「共生力」の4つの力で構成されるとしました。この考えは、時期を同じくして経済産業省が提唱した“社会人基礎力”に相当しています。
「社会人基礎力と併記して学生に伝えることで、私どもが定義する『人間力』への理解や説得力が高まりました」(濵田さん)

そしてこの4つの力を、実践を通じて養うのが「興動館科目」です。
「これまでの座学の授業を急にアクティブラーニングに切り替えるのは難しいと考え、新たな“科目群”として枠組みを設計しました。主体的な学びには、学生自身の興味が不可欠です。そのため、教授陣の専門性を活かしたユニークな科目を用意しています」と話す濵田さん自身、歴史学の教授として「瀬戸内海地域の魅力を発信しよう」という科目を担当。瀬戸内海の歴史を題材に課題を出し、グループワークを通じて企画力を養います。

BILANC Online 広島経済大学 興動館教育プログラム(前編) 広島経済大学
教育・学習支援センター長
興動館 科目創造センター長 教授
濵田 敏彦さん

興味・関心を導く、
専門的でユニークな科目が
学生の「主体性」を加速させる

ほかにも、かつては愛をテーマに哲学的な思考を深める「愛の講座」といった、一見すると大学の講義とは思えないほどユニークな科目が数多く用意されてきました。こうした魅力的な科目の数々を裏側で支えているのが、学内に設置された、「科目創造センター」です。
同センターの役割は、「人間力」の育成に資する新たな授業を考え、教授陣が持つ高度な専門知識を、いかに学生の興味を引く「科目」に変換するか。科目名はあえて専門用語を避け、身近でキャッチーなものにすることで、学生が心理的なハードルを感じることなくアクティブラーニングの世界へ飛び込める仕掛けをつくっているのです。

濵田さんは、興動館科目の特徴についてこう続けます。
「学年ごとに行う通常授業とは異なり、1~4年生が横並びでグループワークを行うこともポイント。経験値のある4年生と、新鮮な感覚を持つ下級生とが課題に取り組むことで互いに刺激を与える相乗効果があるほか、新しいものが生み出される可能性も期待できます」
科目は単位として認められ、1 科目の定員は原則30人の少人数制。現在、全学年約3,000人のうち、約800人が受講しているといいます。学生の授業アンケートでも「他学年との交流で視野が広がった」と、高い満足度を記録していると濵田さん。

「こうした自分の興味から主体的に動いた経験は、卒業後の『キャリア像』を明確に描く力へとつながると私たちは考えています。目的や目標、自分自身の“興味”がはっきりすることで、将来進みたい道が見えてくるのです」(石田さん)

興動館科目のご紹介のページ(広島経済大学)

つづく後編では、単位の枠を超えて学生が主体的に社会課題へ挑む「興動館プロジェクト」の全貌と、今後の展望についてご紹介します。

後編はこちら
学年の垣根を越えた“実践”が、大きな自信に! ~広島経済大学・興動館教育プログラム後編~

※ 私立大学退職金財団では、教職員の皆様にスポットをあてた特色ある活動の情報を募集しています。掲載をご希望の維持会員は、当財団までご連絡ください。

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